こんにちは！横井です。
開業から3年半を過ぎた頃、スペシャルティコーヒーとの出会いがありました。
衝撃的過ぎて１週間ぐらいは心も頭の中も落ち着かなかったことを今でも
はっきりと覚えています。と、同時にチャンスだと思いました。
テストマーケティングが行われたのが、日本、イタリア、アメリカの３カ国。
コーヒーの歴史が浅い日本ですが、このカテゴリのコーヒーに関してはひょっとして
横一線か？と思ったからです。

さて、はじめて出会ったスペシャルティコーヒー。
今までにはないおいしさを確かに感じてはいましたが、焙煎がどうしても
思うように行かない。
いよいよ、自己流の焙煎技術では太刀打ち出来ないことを悟りました。

情報が少ない中に調べて行くと、カッピングという味覚と品質を学ぶ必要が
あることだけは理解できました。さて、どうしよう。。。。
そんなとき、インターネット上で同じ悩みを持つ同業者の仲間と出会いました。
後に、その仲間達と共同買付グループJapan Roasters' Networkを立ち上げました。

この輪の中に入れていただき多くを学ばせていただく中に、じつに多くの
仲間、生産者と出会うことができました。
また、COE（カップ・オブ・エクセレンス）の国際審査員としてとして
審査を担わせていただき、更に、共同落札を通し皆様もよくご存じな
多くの農園のコーヒーを落札させていただく経験もいたしました。
また、COEのプログラムの素晴らしさにすっかり心を奪われ、生産者の
ことを深く深くよく考えるようになりました。

会社員生活を終え、焙煎機を買い求め、FAXや電話で生豆を発注。
やがて届いた生豆になんの感情も持つこともなく、海の向こうの生産者の
事など考えたこともなかった自分が、はじめて訪れたホンジュラスという
当時、Googleマップにすら載っていないカングアルという村を訪れた時、
自分がいかに勘違いをしていたかを知り、襟元を正すきっかけを得ました。
コーヒーの生産現場で得たことはとても大きかったでのです。
テンガロンハット被った生産者がかっこよくてかっこよくて、、、


※皆さんでカングアル桃を食べているところです。

しかし暮らしは貧しいという事実を目の当たりにし、帰りの飛行機では、
ブログを書いたり、どうやって多くの方々にこの素晴らしいコーヒーを
知っていただくか、買付の資金をどうするか、、、これらを考えている
うちに結局一睡も出来ず興奮状態で帰国しました。

この時、カップ・オブ・エクセレンスの品評会に参加するために前乗りし、
このカングアルの皆様のところへ参りました。この中から数日後のセレモニー
（授賞式）では４名もの生産者が入賞され、感激の涙を流し称え合うことが
出来たことも宝です。

このように会社員時代のコーヒーオタク小僧が、勢いで独立開業を果たし
意気揚々とコーヒー屋になったのですが、すぐさま壁にぶち当たったものの、
スペシャルティコーヒーという誰もがまだ見ぬ世界のまっただ中に身を置ける
チャンスで恵まれ、また共に学ぶ仲間に出会うことが出来、お客様の応援も
いただき、何とかここまで来させていただくことが出来ました。
感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございます！

一杯のコーヒーは実に多くの方々の手と心によってもたらされています。
それを知ることが出来たことが本当にありがたく思っています。
27thAnniversary「エストルニノ」はもう間もなく終売になりますが、
お客様への感謝、生産地では先住民族の方々の歴史にも触れることが出来、
北海道の先住民族の方々の様々な思いと重なり、やはり生産者の皆様は
特別な存在になりました。そんな思いをたくさん込めたブレンドです。
ぜひ、ご賞味くださいませ！

開業からスペシャルティコーヒーとの出会いまで駆け足でお伝えして
来ましたが、（過去にも様々な場面でお伝えしてきたことと重なりますが）
これを機に、このブログを通し、綴っていけたらと思います。
どうぞ今後とも、横井珈琲をよろしくお願い申し上げます。